身長設定
2012-05-16 Wed 23:07
今日も落書きですが、昨日ひたすら文章だったので今度はイラストの方です。

身長設定


セナとルディの身長設定です。
文字はかなり小さくてみづらいと思うので補足。
真ん中が北の双子星開始時のふたりで、
ルディが132cm 見た目年齢10歳
セナが135cm 10歳
右が天空の破片の時で
ルディが162cm 見た目年齢16歳 
セナが187cm 18歳
左が天空の破片から10年後くらいの未来で
ルディが178cm 見た目年齢20歳 
セナが187cm 見た目年齢23歳 です。
見た目年齢が実年齢とは違うのはこの人たち地上の人間じゃないので......

北の双子星が4年間、その4年後に天空の破片がスタートします。
セナは北の双子星が終わってから天空の破片が始まるまでの4年間で急激に伸びます。
ルディの成長期は天空の破片が終わってから来ます。
でもこう見てみると北の双子星から天空の破片までの8年でもけっこう伸びてますね。
14歳くらいまでは小さめで、成長期に一気に伸びるのがいいと思うんだ!



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kiss & cry
2012-05-15 Tue 23:16
 実験の山と一応就活っぽいものの書類書きが終わった!万歳!
 これから休みをもぎ取りにいきます!(休日は無理だけど少しでも勤務時間減らしたい!)

 今日は雑談......っていうか落書きかな?
 先日国別対抗のエキシビジョンを見ていて突然思いついたフィギュアスケーターパラレル設定を書いてみます。
 タイトルはkiss and cry (またもやネームングセンスの欠如を晒す)
 好きなんですよ〜。フィギュアスケートv 技の名前とか解説無いと解んないど素人ですが、見てるだけでいいんです♪ 
 設定だけつらつら書くだけだと退屈かな〜と思ってパックが記者の取材に答える形で語らせてみました。『すげえ』と『ほんと』と?マークがやたら多くなっちゃうけど、パックの一人称、すっごく書きやすい。つい調子に乗って、落書きのくせに普段の小説の一話分より長いです(^ ^;)
 お暇な時に読んで下さいね。






 Ciao! お姉さん初めて見る顔だけど新人記者さん? 綺麗だね。取材なんてしてないで俺とパスタでも食べにいかない? すごく美味しいけど穴場の店、連れてってあげる。
 え? 取材に協力してくれたら考える? そうか。なら協力しちゃうよ。ええと、今シーズン注目の若手フィギュアスケーターについて記事を書くんだよね?


 じゃあまずは俺自身から。パーカス・リット20歳。パックって呼んでね♪ 国籍はもちろんイタリア。男子シングルの選手で、コミカルなナンバーを滑らせたら世界一だぜ。いや。ほんとほんと。特にエキシビジョンとか大好評なの、フィギュア担当のスポーツ記者なら知ってるでしょ? アメリカのスポーツ雑誌でNeo Sport ってあるじゃん? あそこの記者のおっさん、ジュニアから上がって来たばっかりとかの若手選手に詳しくて、あだ名を付けるのが好きなんだけど、俺は銀盤のコメディアンって呼ばれてたな。4回転は飛べないが、表現力ならピカイチだぜ!
 
 で、隣のこいつがターク・ザス・トラス22歳。カザフスタン代表。え? 微妙に若手じゃない? まあいいじゃない。聞いときなよ。ごっついけどペアじゃなくて俺と同じ男子シングルの選手。でもこいつは俺と反対でジャンプ一筋の通称、鉄人。こけてもぜんぜん怯まないもんな。で、4-3-3の三連続ジャンプを決めたこともあるんだ。すげえだろ? 後半失速して表彰台には届かなかったんだが、そこはまあ、次頑張ればいいさ。
 
 お! あっちから今年一番の注目株が来たぜ!
 今入って来た黒髪の子がルディ。シルディス・ルミナ、16歳、昨シーズンシニアデビューしたばかりの男子シングル選手。アメリカ代表だな。え? そう男子。うん。ちっこいし可愛いけど女子じゃないからね。 
 ルディは有名なフィギュアスケート一家の出で、婆ちゃんは五輪金メダリストのセイレン・アルザス、父親は銀メダリストのラクルト・アルザス。三代続けてフィギュアスケート選手って、すげえよな。両親は5歳の時に飛行機事故で亡くなってるんだけど……親御さん、あいつがが練習で怪我をしたってと聞いて、グランプリファイナルで優勝した後に予定より早い便で帰国する途中で事故に遭ったらしくて、あいつ、両親の死は自分のせいだと思ってるんだよな……
 あ、ちょっと暗くなっちゃった? ごめんね。でもあいつは将来を期待された新星なんだ。去年ニュースになってたから知ってるだろうけど、去年のグランプリファイナルで4回転ルッツを降りて優勝した天才少年ってやつね。
 好調不調の波が激しくて表彰台逃してる大会も多いんだけどな。特に両親の話題を出されると一気にへこんだりしてね。
 でも3種類の4回転ジャンプを持ってるのはすごいよな〜。まだ大失敗することも多いけど。
 ふわって羽がついてるみたいに降りてくる着氷が特徴で、氷上の天使って言われてる。あの中性的なルックスのせいあるんだろうけどね。
 あと、音楽表現がすごく得意。あいつのステップ、音楽に乗ってるって言うより、まるで身体で音楽を奏でているみたいなんだよね。練習の時とか、よく歌いながら滑ってるし、歌が好きなんだろうな。
 その一方で、スピンは相当苦手だけど。なんか回転数が多くなると目が回るらしいぜ。あんなん慣れだろって思うんだけどなあ……
 そういえばあいつが優勝したグランプリファイナルって、エキシビジョンがご両親の十年めの命日だったらしいよ。涙目でモーツァルトの『レクイエム ニ短調 K. 626』を滑ってたもんな。前回までのエキシビジョンでは『となりのトトロ』だったからびっくりしたよ。あのプログラム、あの時一回きりしか滑ってないんだ。そんで会場のほとんどの観客にもらい泣きさせて、ほら、『涙の天使降臨』とかって新聞記事になってたでしょ? でもさあ、あれには正直俺も泣いたね。あいつのライバルで親友のセナも珍しくぼろぼろ涙零してたし。

 そうそう、ルディの隣にいる背の高い金髪がセナハルト・クランドス、17歳。こいつも男子シングル選手でドイツ代表。昨シーズンのジュニア世界選手権で優勝して、今年はシニアに本格参戦するみたいよ。
 セナの家もスケート一家っちゃあそうなんだが、フィギュアじゃなくてスピードスケートの方なんだ。じいちゃんと姉ちゃんが五輪代表で、本人も最初はスピードスケート選手になるのが夢だったみたい。でも、地元で行われた世界選手権を見に行った時に見たクルトさんに憧れてフィギュアスケートを始めたんだって。
 まだ精度はそれほど良くないけど4-3のコンビネーションジャンプを持ってる。でも一番の特徴は速いスケーティングだな。元々スピードスケートやってたからだろね、すぐトップスピードに持ってくし、それがめっちゃ速いの。びゅーって風を切る音が聞こえるんじゃないかってくらい。
 課題は表現力だな。繊細な演技とか、あいつ本当に苦手だもん。去年のジュニア世界選手権で優勝したときのフリーの『薔薇の騎士』では大きなキレのある動きが評価されてたけど、スローナンバーはまだ無理だね。
 その時の剣士のイメージと抜群のスピードで、疾風の騎士とか書かれてたな。さっきのルディとは同じコーチについてて、いつも一緒にいる親友同士だけど、ノービスの頃からのライバル関係でもあるんだよな。

 生真面目朴念仁だから気付いてないけどさあ、こいつ絶対もてるよな? なにせ顔はいいし、背も高いからな〜。でも奴にはケンカップルの彼女がいるんだぜ。ライアちゃんっていう同い年のスピードスケート選手。ちょっと乱暴だけどすげーナイスバディなんだ。
 本人たちは否定するけど、セナは今でも趣味とアップを兼ねてスピードスケートもやってて、毎日朝練っていう口実で会ってるんだぜ。そんで休みの日には一緒にアイス食べたりするとかさ? それって付き合ってるじゃん。
 あれ? でも同じこと、ルディやレウラちゃんともしてるかも? 
 そうか。三股か。ハーレムじゃん。セナ、真面目そうな顔してやるな!

 ドコッ!

 いたたた……聞こえてたか。セナの奴、思いっきり殴っていきやがった。ああ、ちょっとプライベートな方向に脱線しすぎたね。ごめんごめん。
 え? 二人のコーチについて知りたい? いいよ〜。
 ほら、さっき一緒に歩いて来た赤毛の背の高い女の人、ヨウ・リュオウが二人のコーチだ。中国人なんだけど、あれで32歳なんだって、信じられる? どうみても二十歳前後だろ? アジア人の年齢って解んねえよ。
 あの人はコーチになる前は女子シングルの選手で、五輪三連覇を成し遂げた伝説のスケーター。これは有名だろ? 圧倒的な強さとあの年齢不詳っぷりで、暁の仙女とか呼ばれてたらしいぜ。今でも弟子に自ら4回転サルコウのお手本を見せてるんだって。信じらんないよな。いつかセナが「引退してなかったらもう一個くらい金メダルとれたんじゃねえの?」とか言ってたな。ほんと、東洋の神秘だよね。

 もう一人一緒にいた金髪の女の子がレウラちゃん。レウラリア・フィリル・リ・アーラ、 女子シングルのノルウェー代表。繊細な表現が得意な、五輪出場を夢見て3-3のコンビネーションジャンプを練習中の19歳。
 可愛いだろ〜v 雪の妖精っていうニックネームがぴったりだよな。性格も優しくて細やかな気遣いができるいい子なんだよな。マジ妖精さんだぜ! 
 でもその繊細さが災いして、表彰台まであと一歩のとこで緊張して失敗しちゃうんだよな。惜しい!
 この娘もチームリュオのメンツ。ルディとセナとは3人姉弟のように仲良しでいつも一緒にいる。セナとレウラちゃんはアメリカ留学中で、レウラちゃんの行ってる大学と同じ敷地内の付属高校にルディとセナがいるから、学校でも一緒にランチしてるらしい。
 くそっ! あいつら、うらやましいぜ!
 
 他の女子選手? そうねえ。今シーズン注目なのはやっぱティンクとリツの対決でしょ! ほら、今リンクで練習してるちっさい金髪の娘と黒髪の娘。
 ティンクって言うのはリーティンカ・アリル・エルリティナ、ちっこいけど18歳、ロシア代表。去年のグランプリファイナル優勝者。男子はルディ、女子はティンクだと表彰台の真ん中がむしろ一番低いみたいに見えるな(笑) 
 でもあいつ強いぜ、3-3のコンビネーションジャンプをしれっと決めるからな〜。氷の機械人形(アイス・ドール)ってあだ名は正確な技もあるけど、リンクの外では無口で無表情なせいだな。演技中の笑顔は意外と可愛いのに、勿体ない。
 
 もう一人は日本のリツ・アマツカ。やっぱり18歳。ティンクとは同い年で、ジュニアの頃から宿命のライバル関係ってやつ? 
 ティンクがファイナル優勝なら、リツは昨年の世界女王だ。すっげえ綺麗なトリプルアクセルを持ってる極東の黒真珠。
 そういえば、リツってノービスの時中国で当時現役選手だったリュオと同じコーチについてスケートを習ってたことがあるらしいぜ。世界って狭いな。

 あとはねえ……キアもまあ、一応紹介しとくか。キアリーナ・イザルツって奴が居るんだ。年は19。ほら、今ジャンプ決めた茶髪のポニーテール。
 正直ジャンプはそれほどでもないんだけど、スピンがすげえ上手い。確かニックネームは廻る魔女とか……? でも、なんか間抜けだよな。
 俺と同じイタリア代表で同年代だから、大会では国内国外問わずいつも顔を合わせるわけよ。腐れ縁って奴? けっこう台乗りはしてるんだけど、まだ優勝経験は無い。とりあえず、がんばれやってとこだな。

 まあ、若手って言うとこんな感じかな? いい記事書けそう? Prego(どういたしまして)♪  うん。またどこかの大会で会えるといいね。Ciao!

 ……あれ? そういえば食事の約束は? ちょっと……ちょっと、待って〜! おねえさ〜ん!!





 ラナのみんなをフィギュスケーターにしてみました。ライアは学科が違うからスピードスケートですが。ルディの見た目年齢から他のキャラの年齢を割り当てたのでリュオを除いて全体的に若かったな〜。
 小説で書くなら年上の敵キャラとかも欲しい所ですよね。現世界王者とか。でも本編でまだ出て来てない敵キャラのネタバレとかは避けたい。うーん……
 国籍は名前の付け方とかは考えてなくって(レウラの名字とか、国籍不明だしね)、単なるイメージです。

 とにかくニックネームが恥ずかしいぜ! 数年前までこういうのつけるのが流行ってましたよね〜。『情熱のステップ王子』とか、『四回転サイボーグ』とか……今はあんまり見ませんけど、得意な技の紹介とかだけだと物足りないし、キャラが立つので敢えてつけました。ネーミングセンス無いのは解ってるけど考えるの楽しいし。でもどう考えてもキアの『廻る魔女』とか、おかしいだろ。ルディは……なんかクリオネのイメージ?

 イメージ的には、ルディは真央ちゃん+日本男子の4人(おいおい詰め込みすぎだろ?)、セナはジュベ、レウラはコルピちゃん、リツは真央ちゃん、ティンクはトゥクタミシェワちゃん、パックはロロ様、タークはKVDBかペアのトラン君……とかしょうか? 
 
 リュオは完全にチートですね。何この仙人、オリンピック三連覇とかありえん…...と思って調べてみたら…...いた! しかも女子シングルで……
 ちなみに他の競技では最高4連覇が居るらしいです……すごい! 
 ルディも一見チートっぽいですが、技の成功率はまだあまり良くないので浮き沈みが激しいです。
 小説で書くとしたら一人称の交代制で半分は世界各地の大会の旅行記とかでもいいかも? なんてね。
 長々とお付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m

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北の双子星 23話 家族の肖像
2012-05-13 Sun 22:39

 ルディの家は王宮から歩いて三十分ほどの閑静な住宅地に建っていた。思ったような豪邸ではなく、上等な部類ではあるがあくまで一般の住宅の範疇に入る程度だ。

「ただいま〜!」

 ルディが元気よくドアを開けると、中から青い髪の青年が出て来た。ルディというよりシザリオとどこか似ている優しげな面立ちの青年だが、おっとりと上品なシザリオに対し、こちらは快活な表情だ。

「お帰り! おお〜! 君達もよく来たな!」

 ルディの頬にキスを落とすと、青年はセナとライアに満面の笑みを浮かべる。

「閃煌王様、この度はお招きに預かり光栄です」

 セナが優雅な仕草で礼をする。それにライアは目を見張った。
 こいつ、いつも口が悪いくせにこんなに礼儀正しい態度もとれるのか。

「それより、センコウ王様!?」
「ははは。よしてくれよ。その名前は昔の悪行を指摘されてるみたいで恥ずかしい。俺はウィルシード。ウィルさんって呼んで欲しいな」

 茶目っ気のある表情でセナの肩にぽんと手を置いた後、閃煌王、ウィルシードはルディに向き直った。そして、少年の頭に手を置き、目を丸くした。

「ルディ……もしかしてお前、少し大きくなったか?」

 彼は孫を部屋の角の柱の前に立たせると、柱にペンで印を書き込んだ。年季の入った柱には幾つも印がつけてあった。その一番上にあった印と、今つけたばかりの印の間を測る。

「ほら、指三本分も伸びてる。そうか……伸びたかぁ……良かったなあ! 本当に良かった!」
「うっ……おじいちゃん、苦しいよ」

 祖父にぎゅうぎゅうに抱きしめられたルディはじたばたもがいた。
 親戚の王に続き、元王の祖父まで過保護なのかとライアはその様子を呆れ顔でみていたが、セナは違和感を覚えてわずかに顔を曇らせた。たかが指3本分、この年頃の子どもなら、1年経てば誰でも普通に伸びるはずだ。それをこれだけ大げさに喜ぶのは、命の危険を感じるほどの大きな怪我や病気の経験があるか、あるいは……今現在も重い病気を患っているのかもしれない。ルディは少しぼーっとしている所はあっても至って健康そうに見えるが、大丈夫なのだろうか……少し心配になる。
 ウィルシードはやっとルディを解放すると、孫の肩に両手を載せた。

「おばあちゃんも首を長くして待ってたんだぞ。行って来なさい」

 二人がルディに案内されて部屋に入ると、緩く波打つ銀の髪の女性が目を閉じて椅子に座っていた。息が止まるほど美しい。今までの部屋とは空気がまるで違うようだ。セナは神々しいまでの雰囲気に呑まれて入り口で立ち止まった。
 何か解らないが、この人、すごい。軽々しく触れちゃいけないような気がする。
 ライアも一瞬気後れしたようだったが、意を決して中に踏み込む。しかしセナは入り口で固まっている。
 だめだ。動けない。
 その時、手が暖かいものに包まれた。ルディが手を引いたのだ。友人ににっこりと微笑む。

「大丈夫。おばあちゃんは厳しい人だけど理由も無く怒ったりはしないから」

 そういう問題ではないのだが、つないだ手の温かさに踏み込む勇気が出た。おそるおそる部屋に入ると、凛と澄んだ声で女性が話しかけて来た。

「おや、ルディ、友達をつれてきたのかい? ソートティールの男の子と……レイアルドの女の子だね。いつもうちの孫がお世話になっているね。迷惑をかけてはいないかい?」

 しかし、その目は閉じられたままだ。

「ライア・バレッタと言います。あの、もしかしてあなたは目が……?」

 ライアがおそるおそる尋ねると、女性は目を開いた。陶器のような白い肌に銀の瞳がよく映える。しかし、その瞳は子どもたちの方に焦点が合っていないように見える。

「ああ、少し過労でね。ぼんやりとしか見えないんだ」
「そうですか……」

 ライアが女性と話す間、セナはずっと黙っていた。
 ライアの奴よく話が出来るな……
 恐れ多くて自分には絶対無理だ。さすが元王の妻。どこまでも気高く、近寄りがたいほどの気品だ。でも、現王や元王本人に対してでもこんなに畏まってしまうことは無いのに、一体どうしたんだろう?

「そっちの男の子は魔導士だね。なかなかいい感受性をもっている」
「あ……ありがとうございます」

 セナは話しかけられてやっと口を開いた。
 女性は固い口調だが、わずかにその口の端が上がっている。笑っているのだ。くるくると表情豊かなルディとは対照的だ。瑠璃色の髪に零れるような大きな瞳のルディは、祖父にも正直あまり似ていないが、この祖母と血が繋がっているとは驚きだ。

「じゃあ、おばあちゃん、またね」

 にっこり笑ってルディが踵を返す。
 部屋を出るとライアが溜め息をついた。

「はあ……ルディ、お前のばあちゃんと向かい合うとなんかすごく緊張するな」
「お前結構話してたじゃないか。オレなんてもうがっちがちだよ。ルディ、お前のおばあちゃん一体何者なんだよ?」

 呆れながらセナが尋ねる。あの圧倒的な存在感、絶対に徒者じゃ無い。

「おばあちゃんはすごい結界師なんだ。セナは魔導士だから魔力の大きさを感じて緊張しちゃったんじゃないかな?」

 なるほど、結界師か。海からこの国を守る結界はディープルーの生命線だ。そのため優れた結界師が数多く、最高位の結界である銀の泡(シルプルー)を作る銀の巫女姫を支えるため、宮廷魔導士団の他に結界師団があるほどだ。ルディの祖母は相当高位の結界師だったのだろう。
 しかし、ルディも魔導士だというのに、この緊張感の無さは一体なんだ? 家族だからか、それとも他の理由か……? 
 セナが考えていると、ウィルシードが三人に声をかけた。

「おーい。君達、お菓子を用意したからこっちにおいで」
「はーい。あ、でもその前にお父さんとお母さんにも挨拶しなきゃ」

 その言葉にセナはほっとする。ルディは『おじいちゃんたちが待っている』と言っていた。セナと祖父には面識があることを知っていたからかもしれないが、普通に考えれば父か母を挙げる所だろう。そうでないということは、両親は不在か、あるいは……最悪のケースも考えていた。
 二つとなりの部屋に行くと、暖炉の上に花と一緒に魔法で映像が見られる写真たてが飾ってあった。

「お父さん、お母さん。ただいま」


家族の肖像mini


 ルディは愛おしそうに写真たてに手をかけた。長い睫毛が瞳に影を落とす。その瞳はどこまでも深く、果てのない深い夜闇色。普段見ることのない、切ない表情だ。
 これは、ただ不在という雰囲気ではない。

「ご両親、亡くなってたのか……」

 セナが声を落とす。

「うん。お母さんはぼくが小さい頃、お父さんも五年前にね……」

 セナが写真たてを覗くとそこには銀青色の青年と、夜闇色の娘が幸せそうに微笑んでいた。娘の髪と瞳はルディとすっかり同じ色、顔かたちもよく似ている。ルディが成長すれば瓜二つになりそうだ。祖父母にも父にも似ていないが、ああ、母親似だったんだなと納得する。

「ん……? この人まさか……」

 父親らしき青年の顔には見覚えがあった。4歳か5歳の幼い時のことだが、忘れもしない。鮮やかに脳裏に思い浮かぶ、ひらりと軽々宙に舞う涼やかな天青石(セレスタイト)。蒼い魔法の光を纏って閃く剣――
 あれは妹のフィーナと二人、国境警備の父の元を訪れた時のことだ。遊んでいるうちに迷子になった兄妹が襲われた時、剣と魔法を組み合わせて見事に魔物を退治した、セナにとって憧れの英雄――

「まさか、この人、クルトさん?」
「セナ、お父さんのこと知ってるの!?」

 ルディが目を丸くする。
 セナがもう一度写真を見詰めて頷く。間違いない。写真に写っている青年はあの人本人だった。

「ああ、オレの命の恩人で……ずっと憧れだった。そうか……“セナ”って略し方、お前の他はこの人にしか呼ばれたことが無かったんだよ。Haにアクセントがあるからみんなハルトって呼んでたのに……名字が違うからわからなかったんだ」

 セナと妹を救ってくれた青年はラクルト・アルザスと名乗っていた。だとすると、ルディの姓であるルミナは母方のものか。

「そうか。亡くなってたのか……」
「うん。国境視察に行って、結界の歪みに落ちそうになったぼくを庇って、代わりに落ちたんだ。ぼくのせいで……」

 ディープルーの空を形作るのは半球状結界、銀の泡(シルプルー)であるが、銀の泡の大きさを正確に保たない限り、銀の泡と大地との間には大きな魔法の圧力がかかり、歪みが生じる。その現状を確認し、泡主と結界師団に報告するのがルディの父、クルトの役目だった。
 歪みに落ちれば命は無い。クルトだけなら決してそんなことは起きなかったのだが、覚えたての転移魔法を使って父の元に現れたルディは、知らずに落ちそうになったのだ。
 息子を引き寄せ、父は自ら闇に消えた。
 最後に覚えているのは父の手のぬくもり。
 息子のため、亡骸すら遺せずに消えた父の死を受け入れることは、幼い少年にはあまりに酷だった。父の死を認識した瞬間、少年は自らの心に氷の刃が突き立てた。その傷は、氷が溶けた後も未だに時折ざっくりと裂けて再び深紅の血を流す。
 夜闇色の瞳に宿るのは父が消えた歪みのように果てしなく悲しみの深淵。

事情を知らない二人の友にも、普段は隠している少年の心の傷跡がちらりと見えた。
 ……こんなに痛々しい表情、初めて見た。二人はかける言葉も無く、立ち尽くした。
 その時、淡く煌めく光と共に目の前に銀髪の女性が現れた。転移魔法だ。

 パシーン!

 痛そうな音が響いた。祖母がルディの頬を張ったのだ。

「それは言っちゃいけないって、何度も言ったね?その責はむしろ私にある」

 静かな、しかし威厳のある声が部屋に響く。

「ごめんなさい……。でも、おばあちゃんのせいでもないよ。この国の……あり方に無理があるんだ……」

 零れそうな夜闇色の瞳に涙が光る。祖母は少年を抱きしめた。
 一瞬時が止まる。それは一枚の絵画のように美しい光景だった。
 そこにやれやれといった様子の声が割って入った。

「あーあ。久しぶりに帰って来たと思ったら……ああ、君達、ごめんな。怖かったろう?でもあれがあの人の愛情表現なんだ。全く不器用なんだから、もう……」

 ウィルシードが肩をすくめて、固まっていたセナとライアの肩を抱いてポンポンと叩いた。それでわずかに緊張が解れる。

「さあ君達、お茶にしよう。ルディとセイも一緒にな」

 ルディが両親を亡くしているなんて、普段の明るい彼からは想像もできなかった。しかもその死をずっと自分のせいだと思って自責していたなんて……両親ともに健在の二人にとって、親を亡くす重みは計り知れない。
 ただ、『お前はひとりじゃない』言葉にはせず、二人は友の肩に手を置き夜闇色の瞳を見詰めた。

「セナ、ライア……」

 頷く二人に、ルディは目に涙を溜めたまま微かに笑顔を見せた。





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北の双子星 23話 家族の肖像 upしました。
2012-05-12 Sat 22:57
HPに北の双子星 23話 家族の肖像をupしました。
いつもほのぼのが基本の『北の双子星』ですが、
今回は大分シリアスよりのお話です。
セナがルディの健康に不安を感じたり、
天真爛漫なルディの隠し持っていた心の傷が明らかになります。
私は自分が基本ネガティブだからか、普段明るく暢気なキャラほど根深いトラウマ持ちだったりします。
セナとエイネのクランドス姉弟みたいなコンプレックス持ちも大好き。
でも深い悲しみや苦しみを知っている人ほど本当の意味で明るく強くなれる気がするんです。

今回で『北の双子星』 第1章が終了です。
......といっても、一年生が終わりというだけで内容的な区切りはほとんどないんですけどね......(^ ^;)
第2章はリュオの故郷への旅が中心になりそうです。
あと、『北の双子星』に続く本編の後編である『天空の破片』もスタートします。

でもその前に、物語はちょっとお休みして雑談とかイラストを挟みますね。
なにせ仕事が忙しすぎて(先週は毎日平均13時間労働、そして2日午前様......orz胃炎も不眠も出ちゃうよ(T T)
物語もイラストもストックがほとんど尽きかけてるんです。
リアル進行状況でラフとか色塗りの途中とか載せちゃう勢いだよ!
来週水曜で仕事の山が終わったら、
「もう限界なのでクビにならない範囲で最大限に休み下さい!!」
ってボスに掛け合って絶対休みをもぎとるんだ!
それまで倒れないように頑張る!



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北の双子星 23話 挿絵その2ーベース
2012-05-09 Wed 22:39
23-2-ベース

ベース塗りです。花瓶の花が地味にめんどくさかった!!
線画がごちゃごちゃしているので色は白、ピンク、青紫でさっぱりまとめてみました。



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